2021.03.01

「もったいないもの」の価値をみんなで大切にしよう。

食品ロスの問題に関心をお持ちになったきっかけは何ですか?本格的に取り組まれるようになった経緯を教えてください。

他業界で2010年からリユース活動を続けており「もったいないものを次の笑顔につなげる」大切さを実感してきました。そんな中、2017年後半に「規格外品などの食品ロスが出てしまう」と食品メーカーを経営する友人複数から聞き、食品ロスこそ世界的に最も「もったいない」ものの一つだと感じました。
そこで、自分がIT企業を経営してきた経験とリユース活動で学んだことを活かして食品ロス削減ができないかと思ったのがきっかけです。クラウドファンディングを経てビジネス化しました。

食品ロス削減に対するご自身の活動の中で、最も印象的なエピソードを教えてください。

2020年10月、大丸松坂屋のESGフラッグシップ店舗である大丸心斎橋店とフードシェアリングサイト「ロスゼロ」(https://www.losszero.jp/)でコラボの販売会を2週間開催。13,000箱(約9万点)の未利用食品を減らすことができ盛況に終わりました。
「ブランド力のある食品を定価で販売する」百貨店という場所で、食品ロス削減を目的とするベンチャー企業が売り場を持つことは、小売業界への影響だけでなく、エシカル消費のあり方を社会に提案する証として画期的だったとメディア8社に取り上げられました。 全商品に「ロスになった理由」を大小パネルやのぼりで明記し、また食品ロスに関するミニチラシを消費者に渡すなど、単純なセールに見せないイベントでした。「食品ロスって聞いたことあったけどよく分かった」と言ってくださるお客様や、未利用食品提供メーカーも喜んでくださり、やりがいも大きかったです。食品ロス削減団体を運営する大学生もチームに加わってくれました。
今この流れが加速し複数の百貨店とのイベントが決まっています。

食品ロス削減に関して、ご自身が感じている今の課題についてお話しください。

◎食品メーカーで発生するロスを消費者に直接つなげる事業をしていますが、三分の一ルールが影響を与えるロスが大変多いです。このルールを緩めていくことが必要。

◎ロスが出そうになった場合でも事業者側はそれを消費者に最後まで食べてもらう機会をもっと作り出すべきかと。今までのロスはメーカーがブランド毀損を避けるため消費者には見えない形で消えていましたが、社会がもったいない食べ物を受け入れる時代になり、社名を出しても必ずしもブランド毀損につながらず、むしろ社会貢献になるケースが増えています。その流れを加速させたいです。

◎出てしまう未利用食品をシェアリングするだけでなく、その前に未利用食品が出ないようにすることが大切と感じています。

今後、ご自身がより力を入れて取り組んでいきたいと考えていることは何ですか?

◎未利用食品の削減に関わる中、原材料や半製品も多く余り、商品化を目の前にしながら大量に廃棄される現実を知りました。ロスゼロは自らブランドを立ち上げ、これらを使ったサステナブル食品(第一弾はチョコレート)を開発、2021年2月からDtoCで販売します。これまでのロスゼロ事業は「もったいない食品のシェアリング」が主でしたが、今後は「未利用原材料を利用し商品化することで廃棄そのものを減らす」活動にも力を入れていきます。

◎企業・団体とのコラボレーションを増やし、また自治体とは包括連携協定等の締結を進めることで当該地域への貢献スキームを作っていきます。

◎大学生と作る食品ロスや環境に関するブログ記事が500を超えたので、1000記事を目指し、読んでいる方のお役に立つブログにしていきます。

食品ロス削減への取り組みの中で、つながれるといいな、またはつながってよかったと思われる方

大阪府・東大阪市・大丸心斎橋店・フードサルベージ(サルベージパーティ主催団体)

食品ロス削減プロジェクトに対して期待されることについて、メッセージをお願いいたします。

当プロジェクトメンバーは多方面にわたる活動をされており、このプロジェクトを起点としてメンバーの活動内容や強みを積極的にオンラインで発信していけば、現場を実際に知る人たちが集まる面白くて具体的なコンテンツになっていくと思います。オンラインでのプチ講習リレーもいいかもしれません。読者にとってもメンバーにとっても、新しいアクションへのヒントになると思います。省庁のお墨付きも強化しつつも堅くなりすぎず、現場の声が伝わる人間味あるプロジェクトになれば面白いと思います。