2021.03.31

みんなで、残さず美味しく食べたい。

食品ロスの問題に関心をお持ちになったきっかけは何ですか?本格的に取り組まれるようになった経緯を教えてください。

スーパーのお惣菜部門でアルバイトしていたことがきっかけです。売れ残ってしまった廃棄物を捨てる時に、私が作ったおにぎりやお弁当が残っていると、とても心が痛くなりました。また、私が留学していたニューヨークでは貧富の差が大きく、毎日電車の中やお店の前など、あらゆるところで食べ物を買うためのお金をせがむ人を多く見ました。そこで私は、なぜ世界ではそういった風に食糧不足に苦しむ人がいるのに、自分はこんなに廃棄物を捨ててしまっているのだろうと思いました。私はそれまであまり食品ロスに関して興味はなかったのですが、食品のために何か私にできることはないのかと、それをきっかけに動くようになりました。そんな時、友達が入っていた近畿大学の食品ロス削減のためのサークルC.S.Sに出会いました。

食品ロス削減に対するご自身の活動の中で、最も印象的なエピソードを教えてください。

私が所属しているC.S.Sという近畿大学の食品ロス削減のためのサークルでは、農家さんでお手伝いし、その対価として規格外野菜を頂いて、その規格外野菜を子ども食堂にお渡しするという活動を行っています。いつもはお渡しして終わりなのですが、一度、実際に子ども食堂にお邪魔して、自分達で料理し子供達に提供する機会を頂きました。初めて自分たちが提供したお野菜を食べている子供達の笑顔を見て、この活動をやってきて良かったなと思いました。また、それと同時に、規格外野菜の美味しさを再認識できました。

私は現在ロスゼロさんでインターンをさせて頂いているのですが、ただいま(2021/03/23時点)ロスゼロストアというコロナ禍で販路を失ってしまった食品や、余剰食品を取り扱ったお店を大丸心斎橋店で出店しています。普段はオンラインショップで販売しているため、お客さんと会う機会がないのですが、今回が初めての、お客さんの顔見て私たちの思いが伝えられる場だったので、食品ロスの現状と私たちに出来ることを全力で伝えました。慣れない接客業で大変でしたが、私の思いが伝わったのか、私が話した後に「じゃあこれ1つ買おかな」と言ってくださるお客さんが多くいて、本当に嬉しかったです。食品ロスを無くすためにもっと頑張っていきたいなというモチベーションに繋がりました。

食品ロス削減に関して、ご自身が感じている今の課題についてお話しください。

サークル活動の中では、規格外野菜を提供したり、フードバンク奈良さんのお手伝いをしたりと、実際に食品ロスを削減できている実感はあるのですが、自分のそもそものきっかけである、スーパーの廃棄を少なくしたいという目標はまだ実現していないため、それが今の個人的な課題です。

今後、ご自身がより力を入れて取り組んでいきたいと考えていることは何ですか?

スーパーでの廃棄を少なくすることです。 アルバイトという立場では、難しいことかと思いますが、アルバイト一個人としてでもできる廃棄の撲滅を目指します。 1つ考えていることは、奈良市環境部廃棄物対策課さんが行っている、コンビニエンスストアやスーパーなどに「てまえどり」ポップを設置することです。 陳列されている商品の手前からとることで、賞味期限が早い商品を1つでも少なくしようという取り組みです。これを私が住んでいる大阪市にも導入させて頂けるようにお願いしようと思っています。いずれは国単位での取り組みになれば、全体の廃棄量も減るのではないかと思うので、積極的に動こうと思います。

食品ロス削減への取り組みの中で、つながれるといいな、またはつながってよかったと思われる方

(つながって良かった方々)
・ビューティフルスマイル株式会社ロスゼロさん
・杉浦農園Gambafarm 杉浦さん
・フードバンク奈良さん

(つながりたい方々)
・奈良市
・御所市

食品ロス削減プロジェクトに対して期待されることについて、メッセージをお願いいたします。

私たちの活動を知って、少しでも食に対する意識を変えてくれる人が1人でも多く増えたらいいなと思います。