2021.03.19

まずは食べ物に感謝を。次に自分ができることからコツコツと。

食品ロスの問題に関心をお持ちになったきっかけは何ですか?本格的に取り組まれるようになった経緯を教えてください。

小学生の時に、日本の食糧自給率が40%を切ることを知り、「日本やばいじゃん!」と思いました。その後高校生の時に日本の食品ロスが世界の食糧援助の2倍近くであることを知り、「日本何してるの!?」と思ったのが食品ロスに関心を待ったきっかけです。このときは何をしていいかは分かりませんでしたが、その後、大学でエコ~るど京大に入り、浅利美鈴先生のもとで食品ロスに本格的に取り組むチャンスをいただきました。

食品ロス削減に対するご自身の活動の中で、最も印象的なエピソードを教えてください。

事業者による食品ロス削減のための努力が、公にしづらいことに難しさを感じました。加工業者や小売業者では、パッケージミスや期間限定商品など、どうしても店頭に出せない商品をフードバンクに寄付していることもあります。また、小売店では、期限間近の商品を値引きして販売し、ロスが出ないよう、工夫しています。しかし、このような努力が消費者にネガティブなイメージを与えかねないことがあるようです。そのため、このような努力が社会に浸透しにくいことに問題を感じました。消費者側も食品ロス削減のための努力に理解を示すことが大切だと感じました。

食品ロス削減に関して、ご自身が感じている今の課題についてお話しください。

食品ロス削減のために、消費者の理解を得て、意識・行動を変えてもらうことです。食品ロスの約半分は家庭から排出されています。これは消費者の意識や行動を変えれば、約半分の食品ロスが削減できるということですが、意識・行動改革が一番難しいことです。これまでに行政や企業が食品ロス削減のためのキャンペーンを出しているにも関わらず、まだまだたくさんの食品ロスが発生していることからも、意識・行動変容の難しさは分かります。

今後、ご自身がより力を入れて取り組んでいきたいと考えていることは何ですか?

食品ロス削減のための、消費者の意識・行動改革に取り組んでいきます。京都超SDGsコンソーシアムでは、この春「食ロスゼロレンジャー」を発足しました。食品ロスに関する正しい知識を身につけ、各家庭で食ロス削減のための「レスキューミッション」を実行してもらうことが、食ロスゼロレンジャーの任務です。京都市の子どもたちを中心にレンジャーを増やし、ゆくゆくは全国の大人達にも広めていくことが目標です。多くの人が、食べ物に感謝し、自分達ができることからコツコツと取り組んでいくことで、食品ロスが減っていくことを願っています。

食品ロス削減への取り組みの中で、つながれるといいな、またはつながってよかったと思われる方

つながれるといいなと思う方は、日本全国の方々です!笑 少しでも多くの方に食品ロスの現状を知ってもらい、「もったいないことしたらあかんな」と思ってもらいたいです。もっと特定すると、食ロスゼロレンジャーを広めてくださる方とつながれるといいなと思っておりますので、「面白い!」と思った方は是非エコ~るど京大までご連絡ください!

食品ロス削減プロジェクトに対して期待されることについて、メッセージをお願いいたします。

食ロス削減のための重要なキーパーソンである消費者には、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、全ての年齢層が含まれます。誰でも理解でき、誰でも参加できる、そんな取組になればいいなと期待しています。