2021.03.19

生産者と消費者の間で『想い伝え人』という架け橋になりたい!

食品ロスの問題に関心をお持ちになったきっかけは何ですか?本格的に取り組まれるようになった経緯を教えてください。

きっかけは、食べ残った学校給食の一部が、家畜の餌として使われる※1と知ったことです。
以前の私は「食べ物は残さず食べる!残すと作ってくれた人に申し訳ない、だから感謝して食べる!」と、漠然と考えていて、それ以上の疑問はありませんでした。
しかし、給食の「その後」の話を聞いた時に初めて、食が繋がっていくことを知り、食べられなかった食品のその後を意識するようになりました。
※1愛知県豊田市

食品ロス削減に対するご自身の活動の中で、最も印象的なエピソードを教えてください。

中学生の時に、茶農家の石川龍樹さんと一緒に東京へ行く機会がありました。
石川さんは、道中や食事の際に、食品ロス問題について私に話してくれていました。コンビニの話、おにぎりの話など、私にとって生産者の立場から見る食品ロス問題は、とても新鮮な話ばかりでした。特に、石川さん自身の結婚式の話で「結婚式をして一番嬉しかったのは、たくさんの工夫をして食べ物を無駄にしなかったことなんだ。結婚式って結構、食べ残しが多いんだよ」という言葉が印象的でした。
お茶という、一見、ロスされにくそうな食材の農家さんの意見は貴重だと感じ、『農家さんの食品ロスの話を聞く』という体験を多くの人と共有したいな、と思いました。また、この旅はポケットマルシェの高橋博之さんによる「平成の百姓一揆」への参加が目的だったこともあり、東京では、生産者と消費者をつなぐ方法や、今後の行動へのヒントもたくさん頂くことが出来ました。

食品ロス削減に関して、ご自身が感じている今の課題についてお話しください。

食品ロス問題を解決する為に必要なのは「想像力」だと思います。
例えば、「捨てたら罰金」となっただけなら、こっそり食べ物を捨ててしまう人も出てきてしまうかもしれません。
しかし、工程や未来などについて、広い視野で想像することが出来たら、人の行動は変わってくるのではないでしょうか。自分や周りの人がそうだからなのかもしれませんが、世の中には「自分の為」よりも「誰かの為」になら動ける人が多いと感じているので、たくさんの方々が少しずつでも誰かの笑顔を想像することができたら、社会を大きく変える力になると思います。
その想像力を働かせる為に、「生産者と消費者の距離」を縮めたいです。

今後、ご自身がより力を入れて取り組んでいきたいと考えていることは何ですか?

「高校生の視点からの食品ロス問題」という記事を、紙媒体で書いてみたいです。
現在のコロナ禍で、今まで以上にインターネットによる情報を浴び、その溢れるほどの情報量に疲れを感じる方も多いのではないでしょうか?食品ロスへの想像力を得るためには、一呼吸置くと良いかなと考え、そのためには雑誌や本、新聞など、『自分の意志で手に取り、読み進めることが出来る場所』に、想いを載せることも大切だと感じています。
正直、私自身が知らないこと、わからないことも多い状況ですが、だからこその視点や疑問もあると思うので、消費者の方はもちろん、生産者側の方々にも、喜んでもらえるようなキーワードが伝えられたら嬉しいです。

食品ロス削減への取り組みの中で、つながれるといいな、またはつながってよかったと思われる方

つながれるといいな、と思う地域は「長野県」です。
私は、高校進学の為に1人で長野県白馬村へ来ましたが、約2年が経った今も、長野県の方々とつながりが薄いなと感じています。(寮生活であることと、長野県が広いのであちこちに自力で行けずにいたことも影響していますが)
長野県は、ゴミの1人当たりの排出量が少ない県として全国1位なのだそうです。食品ロスについても同様に、多くの対策をしていると思うので、もっと詳しく知りたいし聞きたいです。

つながってよかった団体は、豊田市の「夢農人」さんです。
豊田市に住んでいた中学生の頃、夢農人の農家さんたちに取材をさせて頂いて、たくさんの食について学び、それを発信してきました。特に、私が中学生だった当時の代表の、いしかわ製茶の石川龍樹さんには、食品ロスへの思いをたくさん教えて頂いて、今の私に活きていると感じています。
また、夢農人さんは2020年12月15日に「おいでん市場」というお店を開店させたそうです。食品ロスへの意識がとても高い皆さんなので、次に豊田市に帰省した時には、取材をさせて頂けたらいいなと思っています。

食品ロス削減プロジェクトに対して期待されることについて、メッセージをお願いいたします。

「食べる」をおこなう全ての皆さんで、世界中が笑顔になれる行動が出来たら嬉しいです。『1人の100歩より100人の1歩』と、広がりますように。そして私自身の夢である「食を通じてみんなを笑顔に」も達成したいです!