2021.03.01

食べ物は命。捨てずに美味しい料理を作りましょう。

食品ロスの問題に関心をお持ちになったきっかけは何ですか?本格的に取り組まれるようになった経緯を教えてください。

世界で生産される食料の3分の1が捨てられている現状をなんとかしようと、2017年に 制作された欧州舞台の映画『0円キッチンhttp://unitedpeople.jp/wastecooking/』を日本で配給したことがきっかけで、強い関心を持ち始めました。
ダーヴィド・グロス監督を日本に招き、年間6百万トン以上の食品ロスが発生しているという日本の状況を知り始め、これはなんとかしたいと映画『もったいないキッチンhttps://www.mottainai-kitchen.net/』制作を決意しました。

食品ロス削減に対するご自身の活動の中で、最も印象的なエピソードを教えてください。

とある青果市場で、みずみずしいキャベツ1箱8個入りが およそ300箱も 廃棄されていたことを見たことが忘れられません。数にして2400個です。箱には「ステ」と書かれていました。唖然とする現実でした。
話を市場の方に聞くと、検品のためキャベツをカットしたら、中から少し黒い部分が見られたから、この生産者からのキャベツは全て「ステ」になったんだと聞きました。せめて安く売ることはできなかったのか。子ども食堂に届けることはできなかったのか。たくさんの疑問が生まれ、また、なんとかしなければならないと強く思いました。

食品ロス削減に関して、ご自身が感じている今の課題についてお話しください。

やはり食べ物がトレーやパッケージに入れられ販売されるようになり、生き物というよりも、物として扱われてしまっていることが根本原因ではないかと思います。また、簡単にお金で買えるために 、簡単に捨ててしまうのかもしれません。自分のところまで、食べ物が届くまで、どれだけの苦労があるのか、また、自然の営みがあったのか。想像を膨らませていくと、捨てることはもったいですし、ありがたいという感情が生まれ、簡単には捨てられなくなるはずです。また、料理を作る、野菜を作るなどの行為により、 多くの気づきを得られると思います。

今後、ご自身がより力を入れて取り組んでいきたいと考えていることは何ですか?

教育です。心が変われば行動が変わる。制作した映画「もったいないキッチン」を、特に子どもたちに観てもらいたいと願っています。例えば小学校の授業で観る機会があれば、学校の給食で、食べ残しをしない行動が始まるかもしれませんし、その後の人生できっと食品ロスをなくす行動をしてくれると期待しています。

食品ロス削減への取り組みの中で、つながれるといいな、またはつながってよかったと思われる方

特に漁師や農家さんなど一次産業の方とつながりたいと考えています。

食品ロス削減プロジェクトに対して期待されることについて、メッセージをお願いいたします。

新しい時代の雰囲気を作れるぐらいのプロジェクトになることを期待しています。そのためには、具体的なネーミングやツールなどの道具が必要かもしれません。例えば賞味期限を賞味目安と書き換えることや、「ドギーバッグ」を普及させて、 持ち帰りを定着させることなど。